みんなでSakaseru開発者インタビュー「"推し"に想いを贈るサービスから見える、 エンジニアとしてのねがい」
2020年09月04日
こんにちは。
Sakaseru代表の小尾です。
最近はほんの少しずつ涼しい日も訪れるようになり、花の市場では秋の花が出回り始めています。夏の元気なヒマワリなどから、落ち着いた色味のお花に衣替えする様子が、また愉しいですよね。
先月リリースさせて頂きましたミンサカ。
ご公演が中々開催されない中でも、少しずつですがご利用頂けるお客様の数も増えてきました。
中には100名以上の参加者さまを募る企画もあり、スタッフ一同感激しております。
今回のコラムでは、ミンサカの開発への想いから、僕自身のエンジニアとしての生き方まで、スタッフのアスカにインタビューしてもらいました。
是非お読み頂ければ、とても嬉しいです。
--以下インタビュー内容となります。--
オンラインで世界で一つの花を注文できるサービス「Sakaseru」。Sakaseruは舞台やライブ等、公演祝いの花を中心にご注文を頂いています。お客様のほとんどは公演に出演する演者の方々を応援する、「ファン」の皆様。
そして2020年8月3日、株式会社Sakaseruの新サービス「ミンサカ」がリリースされました。これは「ファンから”推し”へお祝い花を贈るため」の、企画・集金クラウドファンディングサービスです。
大変ニッチなニーズに応えるようにも思えます。しかも、コロナ禍で舞台やライブの開催自体が厳しい状況です。そこに、明るい未来はあるのでしょうか。
今回はそんな「ミンサカ」の開発エンジニアであり、株式会社Sakaseruの代表でもある小尾龍太郎にその想いを尋ねました。
目指すのは「今よりハッピーな世界観」
「ミンサカ」は「ファンからお祝い花を贈る」ためのサービスということですが、具体的にどのようなサービスですか?
小尾:
ファンの方が複数人でお金を出し合いお花を贈るとき、その工程をすべて行うことのできるサービスです。
ファンから演者さんへの公演祝い花では、この複数人での贈り方がかなりポピュラーです。
公演祝いのお花は豪華なものが多く、また、良いものを贈ろうと思うと、お花一本一本も高価になります。個人で贈るには少々値段が張るため、ファンの皆さんはSNSなどを使って企画を立て、お金を少しずつ集め、一つのお花を贈るんです。
しかし、企画を主催する方の負担が非常に大きいのが現状です。
・参加者の入金チェック
・参加表明はしてもらえたものの入金が無い方への連絡
・花の発注や装飾品の準備等のスケジュール管理
・参加者への収支報告
時には数百人の参加者の方を取りまとめつつ、上記工程を進めていきます。また企画立案から参加者募集、集金まで、別々のプラットフォームを使いながら進めていました。
そのような煩雑な仕事を主催者の方が進めるのは、ひとえに「応援する人に喜んでもらいたい」という純粋な想いからです。
そのファンの想いを、Sakaseruも「応援」したい。そんな気持ちからできたのが、「ミンサカ」というサービスでした。
「花贈りの全ての工程を一つのプラットフォームで完結出来る状態にすること」
「そして、主催の方の負担を減らし、もっと気軽にお花贈りが出来る環境を提供すること」
そのために「ミンサカ」は開発されました。
つまり、複数人でのお花贈りに特化したサービスを提供することで、「お花贈りがしやすい環境を作ること」が目的だったのでしょうか?
小尾:
それはあくまで過程の一つですね。最終的に目指すのは、ミンサカを通じた「今よりハッピーな世界観」です。
ファンの方の花贈りは、応援する方への気持ちに溢れています。その幸せな世界から、「集金が大変」というようなマイナスの気持ちをなるべく無くしたいと思いました。
また、"今より"ハッピー、のために作った機能としては、例えば、"ありがとう機能"があります。企画終了後、企画の参加者さんから主催者さんに対して、任意のメッセージと共に”ありがとう"を贈ることができます。
今現在も、大変な思いをしながら主催をしてくれる方に対し、SNSでは感謝の言葉が飛び交っています。でもその言葉はタイムラインからは流れていってしまいますし、字数も限られます。それを企画ごとに紐づけて、顕在化させる。それだけでも、きちんと主催の方に対する感謝とリスペクトが形になりますし、花贈り未経験の人が見た時、"お花贈り"そのものが魅力的に映ると思います。また、その時の”未経験の人"が、後々「自分も主催をやってみたい」と思ってくれたら……。
「ミンサカ」では、そういうハッピーの循環を作るための工夫を沢山しています。
自分の「技術」で人に幸せになってもらいたい
開発に至った想い
「ミンサカ」の開発は小尾さんが発端で、開発の指揮も執っていました。
開発に至るきっかけは何だったのでしょうか?
小尾:
そもそもきっかけは、社外の方からのアドバイスでした。複数人で、というお客様の購入方法について話した時に、「ミンサカ」のもとになるアイデアを頂いたんです。僕はそのアイデアを聞いて、いいな、と思いました。
「それならテクノロジーを使って、『Sakaseru』のお客様を幸せにできる」と感じたんです。
というのも、僕は以前から、もとの「Sakaseru」以上にテクノロジーっぽいサービスを作りたいと思っていました。
もともとのサービスである「Sakaseru」は、お客様とリアルの花屋を繋ぐプラットフォームですが、ECサイトにも近く、テクノロジー以上に花屋の対応が重要です。どれだけ便利なシステムを提供しても、お花の出来、花屋の対応によって満足度は大きく左右されます。
僕はエンジニアで、テクノロジーが好きですから、僕が好き、そして得意なことで、もっと人をハッピーにできるサービスを作りたいと思っていたんです。
人の役に立つ、ではなく、人をハッピーにできるサービスを作りたいと言うのはなぜですか?
小尾:
僕の好きなもの、好きな人たちがテクノロジーを使ってハッピーになって欲しい、と思っているからです。別にテクノロジーにこだわる必要もなくて、自分の「技術」で、自分にかかわる人に幸せになってもらいたい、というのがより正確でしょうか。僕は今たまたま、テクノロジーに関して人より得意というだけの話ですから。
例えば、珈琲を入れるのが人より得意だったら、喫茶店のマスターになっていたかも、と思うんですが、美味しいコーヒーを飲んで幸せな気分になることを「役に立つ」とは言わないですよね。結果として眠気が覚めて仕事が捗るかもしれないけれど、喫茶店で働く人が真剣に湯を注ぐのは、多分、美味しく飲んで欲しいからだと思います。
それと同じで、僕のテクノロジーは結果として「役に立つ」かもしれませんが、僕の目的ではないんです。
リアルの世界にはテクノロジーをうまく使えていない人が沢山います。そして僕はそういう非効率だけど暖かい現場が好きです。
花業界は少しずつ変わっていますが、まだそういう側面が強くて、他にも、今でも煙草をすぱすぱ吸える昔ながらの酒場とか、お年寄りのマスターがゆっくり接客をする純喫茶とか。
複数人でお花を贈って下さる、Sakaseruのお客様もそこに近いなと思いました。沢山のプラットフォームを使ったり、ましてお金を手渡しで何十人分も集めるなんて、効率的とは言えないし、とても大変です。でもそこには暖かみがあって、その上多くのお客様は演者さんだけでなくSakaseruのことも応援して下さる、僕にとっても大切な方々です。
そういう眼の前のお客様が喜んでくれたら嬉しいと思って、「ミンサカ」を作りました。
コロナ禍でも
未来への想い
開発が本格化したのが2020年1月下旬、その直後、新型コロナウイルスが蔓延し、花を贈る公演自体、開催されなくなりました。
そのような状況でも開発を続けたのはなぜですか?
小尾:
目の前で困っている方をテクノロジーでハッピーにできる、というはっきりとした原動力があったからです。
5年前、僕は一人で「Sakaseru」を立ち上げましたが、その時との大きな違いは課題を抱えているお客様の顔が見えていたことでした。
「Sakaseru」は元々お花屋さんの課題を解決するために立ち上げたサービスですが、お花屋さんの課題を解決するためには、まず、お客様に花を買っていただかないといけません。
「Sakaseru」立ち上げ時には、そのお客様の課題感を見つけることが非常に困難でした。
しかし、「ミンサカ」の課題は、4年以上事業を続けてきた中で、お客様から教えて頂いた事です。
舞台が、ライブが、イベントがなくても、"推し"への想いは変わりません。推しへの想いをみんなで贈りたい、という気持ちも変わらないでしょう。ではいつか贈れる時になったら、課題が解決された状態にしておこう。そういう原動力がありました。
実際に、既にご利用頂いた方には喜びの声を頂いています。リリース時の「使いたい」という反響も大きく、今後一層広めていけるサービスだと確信しています。
「ミンサカ」を通じ、お客様にどういう体験をしてほしいですか?
小尾:
みんなの想いが、一つの形になり、現場や画面越しに伝わってくる。この素晴らしい体験を是非楽しんで頂ければ、とても嬉しいです。
公演やライブに参加すること自体もイベントですし、それと同じくらい楽しい花贈りのイベントを、お客様には楽しんで頂きたいです。
そのためにも、ファンのお花贈りのスタンダードになって頂けるよう、今後もプロダクトを開発し続けます。
そして複数人でお花贈りをする時に、ミンサカの名前が頭に浮かんで頂ける状態にし、今後は実際のお花だけでなく、ファンの想いを贈るあらゆるシーンで選ばれるプロダクトにします。
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