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お花屋さんが投資家の方から質問されたことと、その回答

お花屋さんが投資家の方から質問されたことと、その回答

2020年05月17日

こんにちは。
Sakaseru代表の小尾です。

最近は、日々足を運んでいた舞台公演を懐かしく思っています。

ロビーに入った瞬間に感じる、花の香りを楽む事が出来る日を希望に、今は粛々とサービス開発と運営を続けています。

そんな折、最近投資家の方とお話する機会を頂戴し、その際に幾つかの質問に回答をさせて頂きました。
回答をさせて頂くにあたって、僕自身事業のことを改めて見直す良い機会となりました。

今回のコラムでは、ご紹介できる範囲で、投資家の方の質問と、Sakaseruの回答をご紹介致します。

回答をしていく中で、握手会・舞台公演・ライブ・ゲームのイベント。
ご自宅用のお花から、セカンドライフフラワーで素晴らしい作品を作られる方まで、お花と、贈って下さったお客様の事が、頭の中に沢山広がりました。

残念ながら、今回の出資は昨今の状況から無くなってしまったのですが、その一方で、Sakaseruはお客様に支えられて生きているのだと改めて感じましたので、今回のコラムのご紹介をさせて下さい。

もし、これからご自身で起業されたい方がいらっしゃいましたら、参考になれば大変光栄です。

是非、ご覧いただけましたら幸いです。



Q.創業から現在まで大切にして来たミッションや思いについてご教示ください


花業界がより幸せに働ける世界を作る。が最初のミッションでした。
次が、花に関わる全ての人を幸せにする。
現在はそれに加え、ファンの想いを届ける、というミッションに、コロナの事を踏まえ変更を考えています。
大切にしていることは
1. お客様の事を一番に考えること。花業界とお客様の中間に立つ事業の性質上、どうしても花業界からのリクエストが多くなります。
そういった時に、それがお客様のためにどう役立つのか、価値提供できるのかを最優先に考えて事業を行うこと。
そのため、お客様は、ユーザーでもなく、客でも無く、お客様と呼んでいます。

2. 一緒に働く仲間を大切にすること。僕は、社員のことを、社員や、従業員という表現を、社員に対してはしません。
一緒に事業を作っていく仲間だと考えている。例えば、仲間の人生で達成したいことと、事業の達成したいことをリンクさせて目標設定をする。サービス開発やお客様と触れ合うことの楽しさを共有するようにしています。



Q.同セグメントの成長余地はどの程度あるか?


ファンの既存の花贈りの人口は、約400万人と想定されています。
これは、日本全体の公演の動員数と、1公演あたりの動員数に対して、花の送られてきた割合から計算しています。
全体の5%のファンが花贈りをしている計算です。
加えて、新たなサービスをリリースすることによって、今まで花を送らなかったファンも、花贈りを気軽にして頂ける環境を作ります。



Q.どのような選択肢から贈り物として祝花を選ぶのか?なぜか?


花、特にSakaseruの花はその全てがオーダーメイドによるオンリーワンのギフトです。
ファンは、自分の応援する演者さんを応援したい、その美しい想いを花に乗せて贈ります。
そのためには他の人とかぶらないお祝いのギフトを演者さんに贈りたい。
世界に一つだけの祝い花は、そのニーズに答えています。
花以外の選択肢だと、その演者さんの好きなブランドの服を贈る方などもいます。
ただ、貰い手の負担の事を考えると、消え物の花は貰い手のニーズにも適っています。



Q.なぜSakaseruが選ばれるのか?ほかの選択肢と比べた際の優れている点・劣っている点は?


ファンの想いに寄り添うサービス開発と運営を心がけているからです。
ありていに述べると、ゲームや、オタクの文化をバカにしないこと(僕を含めスタッフもオタクなので)。
ファンの難易度の高い要望に対して、それを実現できる仕組みと、フラワーデザイナーが所属しているから。
劣っている点は、購入の気軽さに欠けている点です。カタログ販売の花や、胡蝶蘭の様に、ありものの既製品をぱっと贈れる状態ではありません。
ただ、そこは既製品の花を贈るニーズと、オンリーワンの花を贈るニーズは切り分けて考えています。
既製品を贈るニーズに答えるのであれば、Sakaseruである必要はありません。
Sakaseruは、オーダーメイドの花を贈れる点が秀でているので、今後もありきたりの既製品を提供する予定は今の所ありません。



Q.顧客満足度はどの程度か?評価の要因は?今後、改善すべき点は何か?


ご利用頂いた方の90%(N=4,000)がスコア8以上の高評価をして下さっています。お花の良さ、スタッフの対応、システムの使いやすさが要因です。
今後改善すべき点は、スタンド花(花屋が直接運ぶ必要のある商品)の対応エリア拡大。
現在名古屋のフラワーデザイナーが参画して下さったので、今後は、福岡、仙台など、大きな公演会場が存在する都道府県に、契約するフラワーデザイナーを増やしていきます。
今後改善すべき点はフラワーデザイナーの対応の良し悪しを、良い方に平準化すること。これはフラワーデザイナーに対しての対応マニュアルをスタッフが作成したので、常に良い対応をするように、伝えて行く必要があります。



Q.どのようなデバイスでSakaseruを利用するのか?


7割強がスマートフォンからご利用頂いています。



Q.どのような法人が購入しているのか?


法人様は、胡蝶蘭以外の花を贈りたい大企業の秘書・総務の方々。最近では飲食店に贈る開店祝い花を贈るFCオーナー様や、施工会社様、お店の知人の方などです。



Q.法人顧客はどのように獲得してきたか?どのように獲得するか?


全てオンラインで営業をしています。広告やSEOなど。当初社長自身毎日営業に行ったが、費用対効果が見合わず辞めました。



Q.ファン・法人客以外で見込めるカスタマーはいるか?


ファンの方・法人様が、母の日や結婚記念日などの需要で買って下さっています。
現在だと、コロナの影響で自宅用の花を買って下さる方がいらっしゃいます。
これは、本当にありがたいことです。
お客様の方を向いてとにかく価値提供をする。
事業を信頼頂ければ、その他のシーンで買って下さる実績があります。
ただ、結婚記念日や母の日などは、LTV(1人の方にお使い頂ける年間の利益)の観点から、費用をかけて狙うセグメントではありません。
(これは、Sakaseruが資金が潤沢ではない事が大きな理由の一つです)



Q.どのようにフラワーデザイナーを確保しているのか?


既存のフラワーデザイナーの紹介。インターネットによる検索、声がけ。花市場の知り合いの方からの紹介などがメインです。



Q.フラワーデザイナーのサービスレベル向上のためにどのようなことができるか?


既存作成しているお客様ご対応マニュアルを読んで頂き、その内容に加盟前に全て合意してもらうことをしています。
低いNPS(お客様の声)が届いた際には、改善を共に行っています。



Q.今後どのようなITの設備投資が必要か?


AWS(Sakaseruが動くサーバのことです)の設定を、高負荷にも耐え得るインスタンスに乗り換えることです。



Q.その他必要な設備投資はあるか?


ありません。出来るだけ設備投資せず、ITのレバレッジを効かせて事業を運営していくことが大事です。



最後に


いかがでしたでしょうか。

こちらのコラム以外の質問は、細かい数値や、損益のことでしたので、ご紹介からは省かせて頂きました。

ここまで回答をしていて、Sakaseruのお客様の贈って下さったお花や、喜びの声が、ずっと頭の中で広がっていました。
本当にありがたいことです。

これからも、皆さまの必要としているものを提供し続ける。
皆さまと対話をしながら、サービス開発をしていく。
Sakaseru自身も楽しんでサービスを運営する。

これはSakaseruのお客様一人ひとりから教わったことです。

また、皆さまの想いが込められたスタンド花や楽屋花が贈られる日々を楽しみにしています。

この時期、心身ともにお気をつけてお過ごしください。

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